2023年度(2023年4月~2024年3月)の全国企業倒産は、9053件(前年度比31.5%増)と9年ぶりに9000件台に乗せ、増勢を強めた。コロナ関連支援策で歴史的な低水準をたどった企業倒産は、ここに来てコロナ禍の抑制策のツケが一気に回ってきた格好だ。幅広い業種で倒産が増えているが、なかでも「農業」分野の倒産がジワリと増勢を強めている。2023年度の倒産は82件で、年度ではこれまで最多の前年度(76件)を上回り、2年連続で過去最多を更新した。農業はもともと天候や災害リスクが高く、後継者問題や人手不足、輸入農産物との競合などで、採算低迷の克服が課題になっていた。そこにコロナ禍での需要急減、エネルギーコストの高騰、伝染病の流行などが一挙に押し寄せ、苦境が顕在化した。農業分野の法人化が進み、企業として農業経営に取り組むケースも増えているが、小規模経営や新興企業など経営基盤が脆弱な企業が多く、農業への夢はまだ実現が難しいのが実情だ。
Source: ダイヤモンド
「農業の倒産」が過去最多!有名ベンチャーも破綻する“厳しい事情”とは? – 倒産のニューノーマル